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あたしは、這うように廊下を進み、階段の上までやってきた。
本来生きているモノには聞こえないであろう生ある者の剣と死神の大鎌が織りなす剣戟の音が激しく聞こえた。
あたしは、壁に手を当て体を起こしよろよろと階段を降りていった。けど途中の踊り場まで来たところで、からだが言うことを聞かなくなりその場にへたり込む、、、、、、、、
しかし、見えた、、、あたしのガウリイが、、戦っている姿が、、、、、、
いつもより、動きが悪く、切れのない剣裁きではあるが、彼は必死に戦っていた。死神はその外見からは考えられないような力とスピードでガウリイを圧倒していた。
誰が見てもガウリイの劣勢は明らかだった、、ガウリイが、いつもの彼なら考えられないことに、、死神の大鎌を受け後退していた。
"弱くなったねえ、ガウリイ=ガブリエフ、、あたしを忘れてあんな女に惚けてるからだよ、、、"
死神のあざける声が聞こえた。
「くっ」
"でも、まだ遅くはないよ、、あたしは寛大なんだ、、あんな女のことは忘れてあたしのとこに戻ってくるなら元の強さをあげるよ"
「断る。俺は今の自分が気に入ってるんでね!」
肩で息をしながら叫ぶガウリイ、、
"強がりを言っちゃって、、かわゆい〜"
信じられない怪力で、ガウリイの腕をつかみ動きを封じる死神、、
"あんたはあたしのモノなんだよ、、ずっと前から、、、、、、、"
死神の瞳がガウリイの瞳を射る。ガウリイの心が凍らされた、、、、まずい、、
"光の剣ーゴルンノバはあたしに忠誠を誓い、あたしにあんたを捧げたんだよ、、、あんたはあたしのモノなんだ、、、、あんたは、光のそばにいれる人じゃない。覚えてるだろ、、あんたはその手で、、血を分けた兄弟や、、多くの命を刈り取ってきたんだよ、、
あんたは、その血にまみれた手で愛する女を抱くのかい?"
ガウリイが苦しそうに顔を歪ませる。
、、ガウリイ、、
死神がガウリイの肩に手を置き彼の唇に自分のそれに重ねた。
ぶちっ、、あたしの中で何かがきれる音がした。
昔はいざ知らず、今のガウリイは、あたしのなんだ!誰があんたなんかに!
気力が蘇る。
「炎に燃ゆる精霊達よ
我に従い力となれ
『爆煙舞(バーストロンド)!』」
殺傷能力などほとんどないこけおどしの爆発であるがガウリイの目を覚まさせることはできるはず。
予想通り、はっとしたように、死神を引きはがし後ろに飛び距離を置くガウリイ。
死神はガウリイを無視してあたしを見ていた。その黒い瞳に普通の状態なら魂を凍らされたかもかもしれない。彼女の瞳はそれほど昏く、冷たかった。
しかし、今のあたしは違う。あいつは、ガウリイの心の古傷をえぐりだした。あたしのガウリイの、、、、ましてや、、ガウリイの唇まで、、、あたしだけのモノなのに、、、、、
許さない、、てめえだけはゆるさない!!
" ふーん、あんた死にかけのくせに強いのね。"
「そりゃ、どーも。お褒めにあずかり恐悦ですわ」
ふっ誰があんたなんかにびびるモンですか!あたしは美少女天才魔道士、リナ・インバースよ!
「リナ!」
驚いたようにあたしを振り仰ぐガウリイ。
「死神さん、お願いがあんだけど、、」
"なーに?"
「あたし死ぬ前にガウリイとゆっくり話がしたいの、、」
「リナ!なにを言ってるんだ!」
焦るガウリイ、、じゃっかっしい!冷静さを失ってる今のあんたじゃ勝てないでしょうが!あたしが冷静かって聞かれると困るけど、、、、、、
「ガウリイ、、お願い、、、」
あたしは彼をじっと見つめる、、少し涙ぐむ切なさを込めて、、、
「リナ、、、」
"まあ、死ぬ前に何か希望があれば聞くというのが、太古からの習わしではあるし、、ちょっとぐらいならいいわよ、、"
余裕綽々にのたまう死神、、よ〜いうた。後で泣いても知らないよ
「ガウリイ、こっちに来て、、もうあたし歩けないの、、、、」
「リナ、、」
剣を鞘に収め、階段を上ってくるガウリイ。そんな、泣きそうな顔をしなさ
んなって、、彼はあたしがうずくまる踊り場までやってきてあたしの前でかがみ込んだ。
「だっこ」
あたしはさすがに顔を上げられずにうつむいてつぶやいた。
「、、へ?、、」
上目遣いに彼の顔をのぞき見すると、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていた。こりは、これで楽しいかも、、、、
「、、だから、、お姫様だっこをしてあたしを下におろすの、、」
「、、へ?、、」
あ〜もう、このにぶちんが、、、
「あんたが、自分を傷つけてまで戦ってるのは知ってるわ、、これは作戦よ。あいつの冷静さを奪うのよ」
「なんで、俺がお前をだっこするのが作戦になんだ?」
「うるさい!さっさとする!あいつになるべく、見せつけるようにムード満点でやるのよ」
「お前にそんな演技できんのかよ?」
、、うるしぇ〜、、
ガウリイは、あたしをまるで壊れ物を扱うかのようにそっと抱きかかえ、ゆっくりと階段を下りていった。ガウリイの首に抱きつきながら、ちらりと死神を伺う。
お〜お〜冷静なふりしちゃって、、、大鎌を持つ右手がふるふる震えているのが見て取れた。へっざま〜みろ!!
一階に下りる。
「ガウリイおろして、、」
「リナ、、、」
ガウリイの奴、普段のあたしとのあまりのギャップにとまどっとる、とまどっとる。さてと、、、
あたしは、ガウリイの頬に両手を添えてあたしの方に引き寄せた。雰囲気に流され目を閉じるガウリイ。ふっ予定通りの展開ね、、あたしはガウリイの唇に自分のそれを重ねた。
死神を盗み見ると、大鎌がさっきよりも大きくぴくぴくと震えてる、、、いや〜おもろい。
(作者注;あんた死にかけてんじゃなかったの?)
唇をはなす、、
「リナ、、」
「ガウリイ、、」
し、、、しまった〜〜ガウリイの目を見ちゃった、、、
いきなり踊り出す心臓、、ほてる顔、、どきどきパニックってくる!!!あたしったら、あたしったら、、、人前(死神前かも?)で、な、、なんて恥ずかしいことを、、、、
恥ずかしさのあまり、スリッパで思いっきりガウリイの頭をぶん殴る。
何も言わず白目をむき、倒れるガウリイ、、、あれ?なんかもろいな、、、、そういや、、死にかけてたんだっけ、、こいつも、、、、
あわてて、治療をかけるあたし、、、でも完全に治しちゃうと死神が見えなくなるし、、、加減が難しいわ、、こりゃ、、、
"あなた、ガウリイをあたしに返してくれる気なのね、、、彼を殺そうとしてくれるなんて、、、、"
死神が感動してつぶやく、何を勘違いしてんだ、、このあま!
「うるしぇ〜、だまれ、この生きとし生けるものの天敵!胸ばっかり大きなエロぼけ女!!泥棒猫!!!誰が返すっていった!!!!」
あたしは叫び返す。
"ど、、どろぼうねこですって、、、その言葉そっくりそのまま返すわ!!"
同じようにヒステリックに叫び返す死神、、ガウリイを巡る女の戦いが激しさを増した。
その時都合良く、やっと、目を開けるガウリイ。
「なにすんだ!お前は!!ちっとは俺の気持ちも考えろ!」
かちんときた。
「考えてるわよ!!だけど、あたしのために命張ってるはずのあんたを、助けに来たらあんたって昔の女といちゃいちゃしてんだもん。あたしだってむかむかするわよ!」
口が勝手にしゃべる、、、あ〜あたしなにいってんだ、、、、、
「おまえ、、、、それってヤキモチやいてんのか?」
顔が、いや全身がぼっと音を立てて火照る。でも、、もう止まらない。
「そうよ!ヤキモチ妬いたのよあたしは!
ばか!脳みそスライム!脳ミジンコの剣術バカ!あんたは、あたしのものなんだからね!
光の剣が勝手にあんなヤツにあんたを捧げたことなんかどうでもいいことでしょう!
あんたの過去が、あんたの手が血にまみれてようがどうだろうと関係ない!!
そんなことあたしだって一緒よ!!
悪夢の騎士って呼ばれてたことなんて、そんなことどうでもいい事よ!!
もしそんなことが気になるのなら、いまここであたしに剣を捧げなさい!
このあたし!あたしがあんたを騎士に任命したげるわ!
冥府の王、不敗の魔王、、、魔を滅する者リナ=インバースの名において、汝ガウリイ=ガブリエフを今ここで我が騎士に任じる。」
「、、へ?、、」
「これであんたは、あたしだけのナイトよ。なんか文句ある。」
「、、いや、あの、その、、、自分で言ってていやじゃないか、、、その二つ名、、、」
「じゃかあ〜し!受けるの、受けないの!」
あたしの問いかけに、、、、ガウリイが、本当に、本当に、、優しく、笑った。
そして、彼はあたしにかしずき、あたしの手を取って甲に口づけた。
「ー謹んで、我が剣をそなたに捧げよう。我が剣にかけ誓う。終生そなたの隣にあって、そなたを守ることをー」
「よろしい!」
あたしは、、真っ赤になりながらも、、彼に負けないくらいにっこりとほほえんだ。
"そろそろいいかしら?"
不機嫌オーラまるだしの邪険な声が聞こえた。
あっそういや死神さんのことすっかり忘れてた、、、おい、、、
あたしは、立ち上がり、思いっきり優越感丸出しで死神をにらみつけた、、
「そういうことで悪いんだけど、あんたの悪夢の騎士はとっくの昔に死んだわ。大体、あんたに忠誠を誓った光の剣はもうこの世界にないんだし、キャンセルってことで、まっよろしく!
ここにいるのは、あたしのナイト、あたしのガウリイ=ガブリエフよ!!」
死神はガウリイの方に目を向け、静かに問いただした。
"、、念のために聞くけど、、あなたもそれでいいのね、、、"
「まあ、そういうことだな。」
ガウリイ、、、思いっきり幸せそうに、のろけてくれて、、。知らないよ、、あたしは、、、、
シーン
沈黙があたし達の間に流れた。なんか怖い、、、いきなり、とんでもないプレッシャーが襲いかかってきた。
まじい、ちょっとやりすぎたか?まじで怒らしちゃったかな、、、、
"、、よくも、よくも、、ここまでこけにされたのは、、お母様に作られて以来初めての事よ、、、、あんた達に、平穏な最期なんか絶対迎えさせてやんない、、、、、覚悟しなさいよ、、、、、、、"
どうせ、こっちは平穏だろうがなんだろうが、最期なんか迎える気は毛頭無い。
「行くわよ!ガウリイ!」
「おう!」
運命なんか信じない!もしあっても、あたし達は決してあきらめない!あたし達の前に立ちふさがりしものは全て切り開く、ガウリイの剣、、伝説のブラスト・ソードにかけて!
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