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あたしは夢を見ていた。楽しい夢じゃなく、、イヤな夢、、、、、そう、、まるで、誰かが、あたしの意識の中にイメージとして映像を送ってきているかのような鮮明な夢、、、
夢の中、どっかのしょぼい宿屋の階段に一人腰掛けるガウリイがいた。でもそれは、ガウリイだけど、ガウリイではなくて、何か別の存在のように思えた。
彼は一人目を閉じ、まるで眠っているかのように座っていた。信じられないくらいの昏い闘気をまとって、、、
いきなり彼は目を開けた。そこにはいつものやさしい光はなく、そう、まるで深い、深い、海の底のような青い闇があった。
「来たか」
彼は、一言そう言うと静かに立ち上がった。
宿の前に、馬車が止まる気配がした。その気配は、信じられないほどの絶望と、かつてかいだ死のにおいを連れていた、、。
宿のドアが開き、年の頃ならあたしぐらい、ショートカットの黒髪に、黒い瞳、黒い法衣をまとった少女が入ってきた。見た目はあたし並みの美少女と言っていいだろう。しかしその肩には信じられないほど大きな黄金の鎌が載せられていた。
"えーと、ここで今日は最後か〜。今日一日で100人もの魂を運んでこいって、相も変わらず死神扱いの荒いひとだ、まったく、、、"
彼女はぶつぶつと言いながらまっすぐに2階に続く階段の方へとやってきた。そこでやっと階段をふさぐように仁王立ちするガウリイのことに気がついたようだった。
"あーら?ガウリイ=ガブリエフじゃないの?久しぶりね〜、元気だった?、、,、、、
そういや〜この間よくもお仕事のじゃまをしてくれたわね。あたし、悲しかったんだから、、、、、、、、、、、、"
芝居かかった仕草で両手で顔を覆いさめざめと泣くふりをする、、、、
やばい、あたしの中で警戒ブザーが鳴り響く、、、、、、こいつは・・・・
「まて!」
ガウリイが叫ぶ。だめ!ガウリイ、、こいつは、、こんな奴と戦っちゃだめ!!!
"どうせ、今のあんたにゃあたしは見えないんだし、、、、つれないね〜
昔はあれほどお仕事手伝ってくれたというのに、この間なんかじゃまするんだもんね〜"
相も変わらず芝居がかった大げさな演技、、、、だめ!ガウリイ!こいつ、気づいてる。
「まてっといっとろうが!」
ガウリイが叫ぶ、、いけない、、冷静さを失っている、、、ガウリイ、、、、、
"へっお前さん私がみえんの、いや〜うれしいね〜
でも、あたしが見えるってことは昔のあなたにもどってくれたって訳、、、、、
じゃ無いようね、、、、、。
ふーん、わざわざそこまでして、あたしを待っててくれたって訳だね、、、、いや〜どういう風の吹きまわしだい?"
ガウリイが見えてるってことに最初から気づいていたくせに、、、良くもいけしゃあしゃあと、、、、、、、、、、、、ガウリイだめ!!挑発に乗っちゃあだめ!!!
"ああ〜えーっと、、予定表、予定表っと、、、あったあった。今日の最後の死に人は、リナ=インバースさん19才っと、、、いや〜この人ね〜若いのに可哀想だね〜"
懐からおおきなえんま帳を取り出しチェックを入れる少女、、どっかの中間管理職を思い出す姿だった、、
"けどこの人、どっかで、、、、ああ〜そうか、この間の、、、、まあ、あの時はもしかしたら魂をいただけるかもしれないって話だったからキャンセルでもかまわなかったんだけど、、、今回はね〜キャンセルはできないよ、、、、、、、、"
「リナを連れて行かせはしないぜ、、、」
怒りをあらわにするガウリイ、、、だめだって、、お願い、冷静になって。
"じゃまをするって言うのかい、、、この間は昔のなじみでみのがしたけど、2回も3回も見逃すわけにはいかないんだよ、、、、それに今回は、魂を連行するって言うのは上の決定事項でね、、、あたしの一存じゃどうにもならないんだよ、、、なんなら、力ずくでも止めてみせるかい?
こっちはいっこうにかまわないけどね、、、100人連れて行くのも、101人連れて行くのもそんなに変わらないからね、、、、"
無言でブラスト・ソードを抜きはなつガウリイ=ガブリエフ。
死神の方は、、、、あたしはもしかしたら一生忘れることはできないかもしれない。まるで幼い子供がすごくお気に入りのおもちゃを貰ったときに見せる天真爛漫な笑顔、、、、
その、まるで天使のような笑顔の下にこの前と比較にならないほど濃い死のにおい、、、
ガウリイが、、ガウリイが、、このままだとやられる、、、、
(リナさんよ、、いい加減目を覚ましたらどうだい、、たく、、ふたりして、世話が焼ける、、、、)
、、、いきなり手を掴まれ、あたしは闇の中から引きづりあげられた、、、、
視界が開いた、、、、古ぼけた宿の天井、、、安作りなベッド、、、、そして、階下から聞こえる刀があわさる大気をふるわす音と、、、、、、、、そして、濃厚な死のにおい、、、、、、、、そうガウリイと死神の戦いが始まったのである、、、
お節介な誰だか知らないが、あたしの夢の中に実況中継していてくれたうえ、現実へと導いてくれたようである。
そう、、少し前まで、、よく馴染んでた気配、、まだ、その気配の名残が残っていた、、、
ありがとう、、そして、、さよなら、、あたしは、まだそっちに行く気はないからね、、、、、、だから、、さよなら、、、おしあわせに、、、、
動かない体を、無理に動かし横を向くと、ベッドのすぐ脇にナーガが油断無く身構えているのが見えた。
「、、、ナ、、ナーガ、、、、、」
あたしは、力を振り絞って彼女を呼んだ、、、
「、、へっ、リ、、リナ!気がついたの?」
彼女は振り向き驚いたように叫んだ。そりゃ驚くでしょうね、、、、
「、、お、お願い、、あたしを、下に、、ガウリイのとこに連れて行って、、」
我ながら、無茶を言っていることはよくわかっている。当然、怒るナーガ。
「何馬鹿なこといってんのよ!あなた4日間も意識不明だったのよ。絶対安静よ!!」
「わかってる、、全部わかってる、、死神があたしを迎えに来たことも、、ガウリイが今、あたしを守るためにその死神と戦ってることも、、でも、あいつは今冷静さを失っている。
あのままじゃ、やられちゃう、、あいつが、、ガウリイが、、死んじゃうのよ!」
あたしの最後の声は半べそをかいていた、、動揺するナーガ、、、彼女、まさかあたしが泣くなんて思ってもなかったらしい、、、、、その動揺を見逃すあたしじゃない!!
「あいつがやられたら、、あいつが死んだら、、、どうせ、今のあたしじゃやられちゃうわ、、、」
あたしの言葉にさらに動揺するナーガ、、
「なに、弱気になってんのょ、、ドラまたリナが、、、、あんたにはこのあたし、白蛇のナーガがついてんのよ、、やらせるわけ無いでしょう!」
胸をのけぞらすナーガ、、、、いつもは、いやになるその姿が、、なぜかうれしかった。
「無理よ、、あいつは、、死神は、、死にかけた奴にしか見えないんだから、、、、」
そこまでいって、あたしは自分の言葉に思わずはっとする、、何故気がつかなかったんだ。
死神は、、死にかけた奴にしか見えない、、、。そしてその死神の言葉が蘇る。
『でも、あたしが見えるってことは昔のあなたにもどってくれたって訳、、、、、、、、、じゃ無いようね』
さっきの夢の中の、ガウリイの青白く血の気のない顔を思い出す。いつも
と違って、冷静さを欠いて、、勝負を焦るガウリイ、、、、あいつ、、、間違いない、、、あいつ、、陰腹を切ってるんだ、、、、、あたしのために、、、命をかけて、、、、
あの馬鹿!!
でも、、でも、、、あそこにいたガウリイは、、あたしの知らないガウリイじゃなくって、、、噂に聞く、悪夢の騎士じゃなくって、、、あたしがよく知って
る、、、あたしのガウリイ=ガブリエフなんだ、、、、、、、
行かなくっちゃ!あたしがいるべき場所は、、あいつのとなりなんだ!
言いようのない喜びがあたしに力を与える。あたしは、ベッドからむりやり起きあがった。
「だめよ、リナ!」
あわてて、あたしを押し戻そうとするナーガ。
「ごめん、ナーガ、、」
あたしは、枕元にあった果物ナイフを、、おそらく、、彼女が、あたしが目が覚めたとき食べれるようにと、リンゴと共に用意してくれていたそれを、、、床に投げつけた、、。
「影縛り!」
びくっとナーガの動きが止まる、、、
「リ、、、リナ、、、、だめ、、、、、」
「ほんとにごめん、、、ナーガ、、、でも、でもこのままじゃ、、ガウリイが死んじゃう、、あいつ、、、、、、馬鹿なんだもん、、、、。」
あたしは、ふらふらと、、おぼつかない足取りでドアを開け部屋を出て行こうとした。背後からナーガの叫び声が聞こえた。
「リナ!!本当に馬鹿なのはあんたよ!!!」
そうかもしれない、、あたしを守るために、、陰腹を切って、、文字通り、命をかけて戦うガウリイ、、、それなのに、、あたしは、、、足手まといになることがわかってて、、、
死にかけのくせに、、、、本当に馬鹿なのは、、、あたしだ、、、、、でも、、、
「、、ごめん、、ナーガ、、、もうあたし選んじゃったんだ、、、あたしは、自分自身、ううん違う、、この世界よりもガウリイを選んだ大馬鹿者なのよ」
あたしは、、ガウリイと同じように、命をかけてあたしを守ろうとしてくれている、、、トモダチ(、、認めたくはないけど、、)、、を残し足を踏み出した。
あたしが、何よりも守りたいものを守るために、、、、、、、
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