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今ここに当たり前のように存在している世界が、実は一度総てが無に帰してから再び生まれてきた世界だとしたら。
あたしたちが知っている気の遠くなる程前から続く歴史の、その向こうに。
この星が生まれ、生命が誕生し、いくつもの文明を築き、そして今に至る。
それが、もしこの星にとって2度目の作業だとしたら?
何故、1度目の世界は滅びたのだろう。
何故、再び世界は作り上げられたのだろう。
総ては仮説に過ぎない。けれど、その失われた世界の存在を確実に現在に伝えるものが超古代遺跡から発掘されたのは事実であり、ゆえにあたしたちはこの世界が永遠のものではないということを知るのだ。そして、知らぬふりを続ける。
今、ここにある幸せを守りたいがために・・・・
街の大通りから少し外れた小さな公園の片隅に、レンガの壁の小さな喫茶店が建っていた。
店の前に並べられてるプランターには季節ごとの色とりどりの花が飾られ、かわいらしい外観と、店から漂う香ばしい匂いに、つい足を止めて立ち寄りたくなる。
ここは紅茶専門店。
壁にかかっている開店を示すプレートにはこう書かれてあった。
『スィーフィード茶房にようこそ!』
◇◇◇◇◇
あたしはリナ・インバース。
一見高校生にも間違えられる童顔が多少悩みだが、こう見えても社会人経験もある、この喫茶店の店長である。
実は、1年程勤めた仕事が、仕事事体は面白かったもののあまりの腐敗し切った管理体制と偉功主義に嫌気がさして、辞めてしまったのだ。
そこである仕事を始めたのだが、あたしがすぐ後先考えず無茶することを心配した故郷のねーちゃんが、あたしにこの喫茶店の経営を命じたのだ。
・・・・ねーちゃんの命令は絶対だからなぁ・・・逆らうなんてそんな命知らずなこと出来ない。
そんなわけで、表向きは喫茶店の美少女店長。もちろん、もう一つの仕事も続けている。
それは・・・今は内緒。
最初はしぶしぶやっていたこの喫茶店も、最近では結構気に入ってる。
もともと紅茶にはうるさい方だったし、食べることには命をかける程のこだわりがあるのだから。まぁ、ここは紅茶の専門店だから、お茶菓子はあっても軽食とかは出してないけど。
それに、店の常連さんも出来てきたのが嬉しい。
あたしにとってなくてはならない場所になったこの小さなお店。
なんら変わりがないように見える日常。だけど毎日起こるちょっとした変化や騒動。
はてさて、今日は一体どんなことが起きるんだろう。
かららんっ
ドアベルが鳴って、明るい声が店内に響き渡った。
「いらっしゃいませ。スィーフィード茶房にようこそ!」
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