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広いホールを埋めつくす、色とりどりの紳士淑女の群れ。
嗅覚と味覚を刺激する、美味しそうな料理の山。
楽団が奏でる曲に合わせて、互いに手を取り優雅に踊る人々。
きらびやかなパーティ会場にいる総ての人々は、皆、仮面をつけていた。
華やかで優雅な仮面舞踏会。
そして、ホールの中心で色とりどりの装飾を施され誇らし気に佇む巨大なクリスマスツリー。
1年に一度、この地方の領主の別邸で行なわれる盛大なパーティに参加している人々は皆、楽し気な微笑を浮かべている。
そんなざわめきの中で笑顔の仮面を張りつけながら、あたしは密かにため息を落していた――――
◇◇◇◇
仮面舞踏会。
色とりどりのドレスを身に纏って誇らし気に人の波を泳ぐ女性たち。
鮮やかな熱帯魚のようなひらひらした幻影を追い掛け手を伸ばし、優雅にダンスに誘う男性たち。
男女とも顔の半分を華やかな仮面で隠している。
知り合いならば声で分かってしまうかもしれないが、誰だか分からないというスリルを伴うゲーム性が、人々を駆り立てるのかもしれない。
正体を突き止めるのも、ここでは野暮。
パーティーの主賓である領主はさすがにわかってしまうから、皆挨拶にいくけれど。
仮面舞踏会でのパーティーでは煩わしい社交も二の次で、心のままに相手を求めていく。
―――――はぁ・・・
「・・・来るならとっとと現われてよね・・・」
小さな悪態は、流れる音楽とざわめきにまぎれ、誰の耳にも届かない。
ひらひらと舞い揺れる南国の熱帯魚のようなドレスの裾を踏まないように、優雅に踊る人の邪魔にならないように、ホールにひしめく人の波を上手く避けて、あたしは手にしたカクテルの入ったグラスを乗せたトレーをひっくり返さないように注意しつつ、さり気なく周囲を伺っていた。
軽く肩を叩かれて振り向くと、恭しくお辞儀をしている見知らぬ男・・・っても、みんな仮面つけてるから誰でも同じだけど。
「可愛らしいサンタさん。よろしかったらしばし仕事の手を休めて私と踊っていただけませんか?」
・・・・・・またか。
瞬間的に湧いた怒りをにっこりと営業用の笑顔を浮かべて隠し、困ったように可愛らしく首を傾げてみせる。
「ごめんなさい。わたしの姿でわかる通り今は仕事中ですので、申し訳ありません」
「そう言わずに」
「でも、わたしが領主さまに叱られてしまいますわ。変わりにお飲物はいかがです?」
「そうか・・・その姿はかなり可愛らしいが一目でサボっている事がわかってしまうよな。失礼、ではその赤いグラスを」
「どうぞ。では、パーティーをお楽しみくださいね」
にっこり笑って頭を下げ、まだ残念そうな顔をした男を残し、あたしは人波に再びまぎれた。
〜〜〜〜〜ああもうっ、やりにくいったらっ!
そりゃあ、あたしは何着ても似合うわよ。自他共に認める美少女なんだから。こんな格好してれば下心をもったにーちゃんたちが声をかけてくるのは当たり前。盛装して気取ってる身分が高い御子息なんてものだって、今夜は仮面パーティーだからって羽目外してるんだし、至極当然。
だがそう思いつつも声かけられて悪い気しなかったのは最初のうちだけだった。
しかも今あたしが着ているのは、いつもの魔道服とマントではなく、仮装パーティー会場に似合うドレスでもない。
赤と白のコントラストも愛らしい、サンタガールの服装なのだ。御丁寧にお約束な赤い帽子までかぶって。
『クリスマスのパーティーらしく、楽しく華やかな接客を』という指示の元、給仕係は男も女もみなサンタの姿で働いているのだ。単に派手なイベント好きな領主の趣味らしいけど。
んで、何であたしまでこんな格好して、ナンパ男たちを躱しつつ、おとなしく給仕に勤しんでいるかと言うと。
答えは簡単。
仕事、なのだ。
領主の娘であるマリー姫の護衛。それが今回あたしたちが受けた依頼だった。
何でもマリー姫に一目惚れした身分違いの男が、何度も追い払われてるうちにストーカー化したらしい。んでこのパーティーで姫を迎えに行くって予告文・・・奴にしてみれば熱烈なラブレターを送りつけた、ってことらしい。
そりゃあ領主の娘だし、姫さまって者は綺麗か可愛くなきゃならないって法律があったはずだから、確かにマリー姫は可愛いけど・・・・・まぁ、人の趣味は色々だからいーんだけど。
とにかく。
このパーティーは毎年の恒例行事だし、何よりマリー姫が楽しみにしていたから中止にするわけにはいかない。
けれど、参加者は仮面をつけているから玄関でチェックしているとは言え奴が入り込んでしまうのは普段よりかえって容易い。
警護にあたっている者ももちろんいるが、仰々しい騒ぎにはなって欲しくない。
しかし、マリー姫の身柄の安全は最優先。何があっても守り抜き、奴を捕らえろ。だってさ。
・・・・・・だったら、せめて仮面を外させろって思わない?ったく領主とかって人種は勝手なのが多いんだから。
面倒臭いけど、でも依頼料はよかったし。まぁ、クリスマスを潰すんだから交渉の段階で値上げしたけど。
仕事が終わったら別室で城のシェフ特製のクリスマス豪華ディナー付き♪ってのに釣られたってのも、まぁ多少はあるかもしんない。
ここんとこ雪が続いててさすがの寒さに盗賊いぢめ出来なかったし、この間見つけたレア物の魔法の品を思わず大枚はたいて買っちゃったし、せせこましいようなちまっこい仕事しかしてなかったから、お財布もちょっと寂しくなってたし。確かに仕事内容と報酬から見たらあたしたちにとってはおいしい仕事と言えるだろう。
こんな格好をさせられたのは予想外だったけど、確かにいつもの服でこんなパーティー会場を動き回っていたらすぐに警戒させられるから、まぁ仕方がない。どっちみちあたしたちも城に勤める人間として潜り込むつもりだったから。
と、納得はしたんだけれど。
なのに、サンタの格好をしているのはあたしだけ。
ガウリイは・・・・・・
「ねぇ王子様。マリーと踊って♪」
「だから俺は王子じゃないですし。踊り方なんて知らないから・・・」
「ダメ!マリーと踊るの!マリー踊りは上手なんだから王子様に教えてあげるわ」
「・・・・・・・・・・・・・・仕方ないなぁ」
表面にちょっと小細工して見た目は普通のペンダントのように見せ掛けたレグルス盤から聞こえてくる会話に、ピシッとあたしのこめかみに青筋が入るのがわかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・帰ってやろうかな」
我ながら低い声に隣にいた人がビクッと振り返った。それににっこり微笑んでみたけれど余計に怖がらせたかもしれない。そそくさと逃げるように離れてったし。
パーティーが始まってから・・・・・・いや、マリー姫と打ち合わせる為に顔を合わせてから、ずーっとこんな感じなのだ。ったく、やってらんないと思わない?
言ってしまえば、いつもの事。
マリー姫がガウリイを一目で気に入ってしまったのだ。
それからはもうガウリイにべったりひっついている。
確かに護衛するには近くにいた方がやりやすいのはわかるけど、近すぎるのもどうなのよ?
結局ガウリイはマリー姫たってのお願いで、パーティーにエスコートする役を仰せつかって、護衛の傍ら、彼女の我が儘に付き合っているのだ。
当然、サンタの衣装ではなく、かっちりとした盛装で。
そりゃあね、ガウリイの見た目は完璧よ。ああいう格好していれば本物の王子様が裸足で逃げ出すくらいには王子様らしく見えるし。
いくら顔の半分を仮面で隠しているって言ったって、端正な顔だちは隠しきれないし、長い金髪も綺麗だし。
マリー姫がべったりくっついているから当然会場中の人目を集めて、結果的に女性客が色めきだってる。マリー姫が『王子様』って連呼してるせいもあるだろう。
あたしに言わせりゃ『クラゲの王子様』ってとこだけどさ。
・・・・・・・・・・ああもうっ。何かむかつくっっ!
これは仕事だし、ガウリイが女の人の目を引くってことも今までで充分わかってる事なのに。
ガウリイにしたって、これは仕事だし、第一『女子供には優しくしろ』って言い聞かされて育った天然のフェミニストなんだから、纏わりつかれたとしても依頼人相手に無下にするわけがない。
――――――って、わかってるんだけどっっ!
レグレス盤から伝わってくる楽し気な気配に思わず手当りしだい火炎球ぶちかましたい気分に陥りながらも、あたしは手にしていたトレーからカクテルのグラスを掴み、グイっと飲み干すと、無理矢理気を取り直して再び注意深く会場を警戒し始めた。
「可愛いサンタのお嬢さん。しばし仕事の手を休めて僕と踊っていただけませんか?」
〜〜〜〜〜〜あーもーっ、鬱陶しいっっ!
夜更けと共にパーティーは賑わいを増していた。
「ストーカーって思い込みの固まりだから、来るとしたらメインイベントの時か・・・・・変にロマンティク思考にかぶれてるようだから、パーティーが終わる頃に現れるって可能性もあるわよね」
[・・・・・・・どーでもいいから早く現れてくれ・・・・]
「・・・・・・・・・・・ガウリイは結構楽しんでるじゃない。これでストーカーを捕らえたら王子様様よね」
[あのなぁ・・・・]
「ほら、お姫さまのお呼びよ。こっちは適当にやっておくから。じゃあね」
[あ、おいっ・・・]
レグルス盤を通しての短い打ち合わせを一方的に切ってあたしは疲れた溜息をついた。
あらかじめガウリイにも通じるようにした状態で渡しておいたから、この位の距離ならば問題なく会話出来る。
護衛が2人いる事を知られない為にあまり接触出来ないとだろう、と思って久しぶりに使った物だけど。イライラした顔を見られる事もないから好都合だ。
「本当に、来るなら早く来てよね・・・・」
今度はトレーに可愛らしい小さなケーキを乗せ、あたしは改めて会場を注意深く回り始めた。
でもなぁ・・・こういう場合のストーカーって自分が正義だって思い込んでるし、当然殺気とかを振りまいてるわけじゃない。それどころか自分こそがマリー姫を助け出す英雄だと優越感に浸ってるかもしれない。だからこそ阻止された時には見境無しに暴れ出す危険性はあるけれど。
だからこの状態でターゲットを絞り出すってのは、実際の所難しい。
ガウリイの野生のカンに期待・・・っても、あの状態じゃあ集中しきれないだろうし。
手っ取り早く、いっそのことあの2人を囮にして呼び寄せるってのも一計かもしんない。
そんな事を考えながらも周囲への警戒を兼ねながらも、給仕をこなしつつ会場を泳ぐように歩いてフロアの真ん中にそびえるきらびやかなツリーの下に来てふと立ち止る・・・・と。
?
・・・・・気のせい・・・じゃない、わね。
今までも結構声をかけられていたけれど、そういった好奇心と気紛れの視線とは明らかに違う。
舐めるような、どこかねっとりと纏わりつく視線。気付いてしまうと途端にぞわぞわとうっすらと鳥肌が立ってきた。
・・・・・・これって・・・・もしかして・・・あまり考えたくないんだけど、まさか・・・・・
「・・・・・ボクの可愛いサンタさん・・・・」
ぞわわわわわわっっっ
――――あまりの事に、少しの間硬直していたらしい。
いつの間にかあたしの真後ろに立った男から囁かれた言葉に、あたしは本気で仕事放棄して逃げ出したくなった。
「・・・・・ボクの天使を迎えに来たら、可愛いサンタさんまで待っててくれたんだね。素晴らしい、まさしく運命だ。素晴らしいクリスマスだよ」
お酒のせいじゃない、自分の考えに酔った熱い囁きは、あたしにとってはあたしの最大の弱点のな○くじがぬめっと蠢いているのを、恐怖に立ち竦み思わずじっと見てしまったような、そんな感覚に近かった。
よって、その恐怖に硬直してしまったあたしは、そこから逃げ出す事もがむしゃらに攻撃出来る事も出来ずにいた。
そいつがじりじりと近づいてきても叫ぶ事も出来ない。
〜〜〜〜〜〜盗賊とか魔族相手のがどんなに楽なのか、このタイプのストーカーってのがどんなに気持ち悪いか心底わかった。わかりたくなかったけど!
まぢで怖いッ!
「・・・・・ああ、本当に可愛いね。すらりと伸びた足・・・凹凸のないその身体のライン・・・」
その夢見る囁きがあたしの耳に届いた瞬間。
――――――――プチッ
「リ・・!?」
「雷撃!」
パチパチバチィッッ!ピクピクピク・・・パタ
「うわー、綺麗♪」
ツリーを飾った突然の光の乱舞に、ガウリイに抱きかかえられながらこちらに来たマリー姫が無邪気に手を叩いて喜んだ。
無論、これはたまたまツリーの側に奴がいたから、勢い余ってツリーの方にまで放電したにすぎないのだが、こっちは焦げてないから問題無し!
恐怖を上回った怒りのせいで身体の自由を取り戻したあたしの解き放った呪文に、奴は軽く焦げて倒れた。
突然のことに、ツリーの回りにはギャラリーの輪が出来たような気がするけれど、大騒ぎってわけじゃないから依頼違反にはならないでしょ。
「あら、姫さまに喜んでいただけて嬉しいですわ♪ではもう一度・・・雷撃!」
パチパチバチィッッ!
・ ・・・プスプスプス・・・
リクエストにお答えして、もうちょっと威力をあげた雷撃を投げ付けるとツリーもキラキラと帯電して輝く。それを見てギャラリーからも拍手が沸き上がる。
「・・・・・・・・・・・・・おい、リナ・・・・」
「止めないでよね、ガウリイ♪あ、こいつが例のストーカーらしいから護衛の仕事もこれで完了。んじゃあたしはちょっとさっくりこいつにとどめ刺してくるから♪」
プスプスと身体から白い煙りを出してヒクついている男を、さり気なく装備していたこれまたサンタの衣装ではかかせないどでかい白い袋に詰め込んで、よっこらしょと担ぎ上げると、有無を言わせずにっこりと笑いあたしは会場を後にした。
生理的な怖さなんて一気に吹き飛んだわ。
ふっふっふっ・・・・・こいつのせいで受けたストレスはこいつに返すってのが筋ってもんでしょ。
でも、じっくりゆっくり相手するのはやっぱり気持ち悪いから、ここはやっぱりド派手なのを1発。
一度領主に確認とって、後は好きに片付けていいって了承ももらったし。ではでは消毒もかねて心置きなく。
「せっかくのクリスマスなんだから冬の花火ってのもいいわよね♪てなわけで、吹っ飛べ!変態ロリコンストーカー!」
ひとまず浮遊をかけといて宙に浮いてる奴めがけて、あたしは呪文を紡ぎ出す。
「火炎球!」
ひゅるひゅるどっかーんんっっ!!
「・・・・・・手加減無しだな」
「あったり前でしょ!?あんな奴滅びて当然!ってか、マリー姫の相手はいいの?ガウリイ」
「もう必要無いだろ」
いつの間にか会場を抜けてきたらしいガウリイが、苦笑しながらあたしの頭にポンッと手を乗せた。仮面も外してる。
「護衛って言うよりお守って感じだったしなぁ」
「でも、結構楽しんでいたじゃない」
「そりゃあ子供の相手は嫌いじゃないし、それに依頼人の我が儘きくのも仕事だしな。でもああいう我が儘嬢ちゃんの相手はさすがに疲れた」
肩を叩きながらぼやくガウリイに思わず苦笑する。
そうなのだ。
今回の護衛の相手、マリー姫は、まだ7才のお子様だったのだ。
ったく、あのロリコン変態ストーカー!
確かにマリー姫はちょっとませてる小生意気な可愛い女の子だったけど、あたしもあんなお子様か!?
思わず奴の、あのねっとりとした視線と声を思い出してしまって、ぞわっと鳥肌が立った腕を擦る。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないわよ。気持ち悪かったんだからっ」
「オレが吹っ飛ばしてやりたかったんだがな」
「・・・・・・・・・・・・・見えてたの?」
憮然とした声にガウリイを見ると、外して手に持っていた仮面の横に飾りのように見せ掛けてあるレグリス盤をピンッと指で弾く。
「リナの気配は追ってたし、こいつで聞こえてたからな」
―――――そう言えば回線つなげっぱなしだったっけ。
「色んな奴に声もかけられてたし、よりによって犯人に目をつけられちまうし、気が気じゃなかったんだぞ」
「それはあたしのせいじゃないわよ。こんな格好させた依頼人の趣味のせいでしょ」
改めて自分の格好を見て、あたしは軽く肩を竦めた。
まあ、あたしが可愛いってのはあたしのせいかもしれないけど。
「確かにその格好は似合ってるけどな。やきもち妬きのサンタさん?」
「なっ・・・!?」
「聞こえてたって言っただろ。子供のマリー姫相手にやきもち妬いてたのは誰だっけ?」
「だっ・・・誰が誰にやきもち妬いたってっ・・・!?」
にやりと笑うガウリイの不意打ちに、とっさに反論するけれど顔が赤くなってしまったのは止められない。
子供にやきもち妬く程、あたしは心狭くない!・・・・はずなんだけど。
そりゃ、ちょーっとイライラしたのは事実だが。それは、あたしだけが真面目に仕事してたような感じだったからで、別にガウリイにべたべた引っ付いてたマリー姫に対して女を感じてたりは断固してない。
してないんだってばっ!
そんなあたしの焦りを楽しげに見つめていたガウリイがふわりと微笑んだ。
「オレは結構嬉しかったけどな。サンタさんからプレゼントもらったみたいで」
さらりと告げられた言葉に、今度こそ真っ赤になったままあたしは言葉を無くす。こいつ・・・あたしが見てないとこでお酒飲んでないだろーな・・・?
「・・・・・・・・・安上がりな男・・・・」
「そうか?」
何とか呟いた呆れの言葉にもにこにこと笑ってるガウリイには、どうひっくり返っても勝てない。
まぁ・・・どっちでもいいか。
「これで仕事終わりだろ?めし食いに行こうぜ。腹減っちまった」
「そうね。給仕してるばっかで食べらんなかったからお腹ぺこぺこだわ。早速報酬の城のシェフ特製のクリスマス豪華ディナーを堪能させてもらいましょーか」
「おうっ!これでやっと邪魔も入らないしな」
「な、何言ってンだか」
「お手をどうぞ?サンタさん」
それでも、にこにこと嬉しそうに手を差し出したガウリイの手に、苦笑しながらあたしも手を重ねた――――
賑やかなパーティーもいいけれど、やっぱり特別な夜を2人で過ごすのは格別だから。
普段とはちょっと違う演出して、クリスマスと言うお祭りを楽しむのもいいかもね。
仮面なんてあたしたちには必要無いけど。
ちょっとロマンチックに恋の駆け引きを気取るのも悪くない。
クリスマスの夜はまだこれからが本番。
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