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どこかで、秋の虫が鳴いている。木々の間から見えるすんだ夜空には満点のお星様。そういえば今日は満月だったかな?お月様も本当にきれいに見える。冷え
た空気を吸い込むと体だけでなく心まですがすがしくなって
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「くるわけ無いでしょう!なんでこうなるのよ! そろそろ寒くなってくる季節だというのに、なんで野宿なんかしなけりゃなんないのよ!!」
「、、、誰のせいって、、、」
暖を取るためのたき火を挟んで向かい合った、あたしの旅の連れーガウリイがあきれた顔で言う。
金髪のハンサムボーイで剣の腕なら間違いなしに超一流、たき火に照らされたその金髪が照り帰る姿は見るものの心を捕まえ離さない。だが、残念なことに、
その頭には脳みその代わりにふやけたパスタが詰まっている。
「、、、、、お前さんのせいだろ。やっぱり、、、、、、」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
秋の虫の鳴き声だけが、響いていた。
「、、、な、な〜にいってるかな?、、、だ、だいたい一仕事終わって、羽を伸ばしたいと思っている矢先に、飛んで火にいる夏の虫というか、かもネギとい
うか、、、とにかく、盗賊いじめに飢えていたあたしの前に現れるあいつらが一番悪いに決まってるでしょう!」
びしっ!と人差し指を一本たててこれ以上ないと言うくらいの正論をのたまってやった。
誠心誠意こめたあたしのこの説得、これを聞き入れないヤツは人間じゃねえ。あたしの説得にしばしガウリイは考え、
「、、街道でおそってきたあいつらを、こてんぱんにしたことはいいとしよう。でも夕方に近い時間帯からわざわざ山登りまでして、あいつらのアジトを強襲
して、お宝吟味して、めぼしいヤツだけ没収、気がついたら真夜中になって、暗い夜道歩いているうちに迷子になってどうしようもなくなって野宿、、、、、
やっぱり悪いのはおまえじゃないか。」
くっ、最近少し知恵がついてきたというか、このあたしに意見しようとは、、、、
「うるさ〜い!脳ミジンコの剣術バカ!!悪いのはあいつら、あたしみたいなか弱い美少女をおそっておいてごめんなさいですむわけ無いでしょう。慰謝料貰
うのは当然の権利よ!それよりめしよめし。干し肉と乾パン出してよ!」
ガウリイに言い負かされそうになったのは、お腹が減っているせいなのよ!けっして少し後ろめたいところがあるせいなんかじゃない!あたしが今そう決め
た!!!
「はいはい、」
ガウリイは苦笑しながら荷物の中から食料を取りだした。そうそう、素直に言うことをきいときゃいいのよ、、、
ぱちぱち、たき火の火が燃える。たき火をはさんで向かい合って簡単な食事を取った後、あたしは黙って、火にかけたやかんにお茶の葉っぱを投げ込んで煎れ
た香茶をカップに注ぎガウリイに差し出した。黙って受け取るガウリイ、うーみゅ、ちょっとやりすぎたかな?
「ねえ、怒ってるの?ガウリイちゃ〜ん。」
あたしはぶりっこモードで彼のご機嫌取りをすることにした。そりゃ〜ちょっとは悪いかな〜って思ってたりもするモンで、てへっ。
いつもの苦笑を浮かべ、のほほ〜んとした口調でかえすガウリイ
「おこってね〜よ。大体こんなことで怒ってちゃ、おまえと旅はできんしな」
少し引っかかる言葉にひきつるこめかみを彼から隠し
「あ〜、やっぱり怒ってるんだ、、、、、わかったわよ。見張りやったげるから先に寝ていいわよ。」
あ〜なんてけなげなあたし、そのあたしの優しい言葉にもかかわらず、とこっちの計画も知らず、かわらずのほほ〜んと言葉を返してくるガウリイ君。
「あのなあ、男の俺が先に寝るわけいかんだろうが。大体怒ってなんか無いって言ってるだろ。だいたい、お前さんのせいで迷惑かけられるのなんていつものことだし。」
聞き捨てならぬセリフをのたまってくれるじゃないの。あんたが先に寝てくれなきゃこっちの計画がすすまないのよ!
「うるさい!ひとが珍しく素直に謝ってるんだからありがたく厚意を受けなさい。」
「あやまったかな?、、、、」
プチン!!あたしの中で何かが切れた。説得の仕方を変えてやる!!!
「、、すべての力の源よ、、、、、」
あたしの右手に魔力の光が輝き出す。そんなに眠りたくないなら、永久に眠らせちゃる!
「いや、すいません、ごめんなさい、、、、では先に休ませていただきます、、。」
なぜか引きつった恐怖の表情を浮かべ額に汗をかきあたしの気持ちを快く受け取ってくれるガウリイ君、そう人間、人の厚意は素直に受け取るものよ。
「わかればよろしい。」
右手に光った魔力光を消し去りながらあたしは静かに言い放った。
ガウリイが横になり、しばらくして規則正しい寝息が聞こえてきた。しばらく、そのまま彼の寝息を聞きながら時を待つ、、、、充分深い眠りについたと見計らって、、、、、、というか超一流の剣士が、ここまで気を許していいのか?はじめ会ったときなんか、絶対あたしにも隙なんか見せなかったくせに、、、、
全くこいつは、、、、、
でも念には念を入れて、、、
「ガウリイ、ガウリイてば、、、、、」
小声で呼びかけてみたが、ガウリイ起きる気配なし。よっしゃ!いまじゃ!あたしは小声で力ある言葉を紡ぎ出す。
「、、、、、、我 汝に安息を与え ひとときの夢にいざなわん、、、、、、、、スリーピング、、、、、、、」
寝ているガウリイにさらにスリーピングをかけた。これでくすぐろうが、ちょっとぐらいはたこうが起きる心配はなし!、、、、、起きられたらせっかく、苦労してここまで立てた計画がおじゃんだもんね、、、、、、、
あたしは、よつんばいで、たき火をまわって、ガウリイににじり寄った、、、、端から見てるとかなり怪しい、、、、、、、、、、見てるものなんかいるはず無いのに、ついあたりの気配を探ってしまうあたし。
今日の昼、盗賊達がおそってきた時、ー計画、、、ガイリアシティを出るまえから、、、いや実はそのかなりまえから、そう光の剣の代わりを探すと決めた、
あのときから、ガウリイの新しい剣が見つかったらこうしたいな〜と、それまであいまいに考えていた計画というよりは思いつきーそれを今日実行しようと思い立ってしまったのだ。
あたしは、ガウリイのそばににじり寄り、彼がいつも野宿の時にそうしている、用心のために左手に握ったブラスト・ソードに手をかけた。ちょっと、ガウリイにわたすのが惜しくなって持ち逃げするつもりか?なんて思わないで頂戴。光の剣ならともかく、あたしがブラスト・ソード持ち逃げしたところで、あたしに使いこなせる剣じゃあるまいし、たたき売るしかないじゃん。苦労して手に入れた剣をそんなに簡単に手放すわけ無いでしょ!
あたしは、ガウリイの指を一本ずつはずし、ブラスト・ソードを持ち上げ、そのままガウリイの頭の横に腰を下ろし、剣を膝の上に置いた。
「けっこう重たいのね、、、細身の剣だからもう少し軽いのかと思ってた。」
あたしは、寝ているガウリイの顔をじっと見た。熟睡してるガウリイ、、、けっこうかわいいかもって、、、だ〜何を考えてんだ、あたしは。頬が赤くなるのがわかった。 でも彼の優しい、穏やかな寝顔を見ていると、彼が起きていたら、絶対いえないような言葉が自然と口に出た。
「あんた、馬鹿よね、なんであたしなんかにつきあってくれんのよ。新しい剣を見つけてやるって言ったけど、なんで剣が見つかってもまだ一緒にいてくれんのよ。なんで、一緒に旅すんのに理由なんかいらないって、、、、、あたしが、欲しかった言葉、何よりも欲しかった言葉、くれるのよ、、、、、。あんなこと言われら、、、、、、、、、、、、、期待しちゃうじゃないの、、、、、、、、、、あたしはあんたに何もあげられないのに。」
そうつぶやいて、あたしは鞘からブラスト・ソードをひき抜いた。月光の中、紫雲に包まれた刀身が光る。しかし何故かその輝きは戦いの中にあったときよりも優しく感じられた。その刀身に自分の眼を写し、ささやくように刀に語りかける。
「あんた、いっぱい殺してきたでしょう。誰に創造られたかは知らないけど、伝説になるぐらいだもんね、、、。それだけの血を吸ってきたんでしょう。コントロールできない力与えられて、あんな中に封じ込まれて、暴れたくてうずうずしてるのに、ミルさんの紋の力でまた縛られちゃったね。あんたの気持ちわかるよ。あたしもあんたと同じなのよ。自分にはコントロールできないぐらい大きな力を持ってしまったのよ。でもミルさんの紋があんたにあるように、あたしにはこいつがそばにいてくれるから、あたしは、あたしでいられるのよ。
今でも色々言われてるけど、この先あんたみたいに伝説の剣として語り継がれるか、それともこの世に混沌をまき散らすことになるのか、、、、、、、、
あたしはこの世界を壊したくない。こいつと一緒に生きたいのよ。だから教えて。道を照らして、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ってやっぱり柄じゃないよね。こんなあたし。
なーに、考えてんだろ。刀にこんなこと言うために、わざわざ道に迷って、ガウリイにスリーピングまでかけて、、、、、、、、ほんとに、何やってんだ
か、、、、、、、、、」
溜息と共に、つぶやいて刀を鞘に直そうとした。そのとき、なにかささやいた気がした。
「えっ?」
あたしは、周りをきょろきょろ見回し、気配を探る。なんの気配も感じられない。気のせいか?でも、、、、、、、、
「、、、いま、「願いはなんだ」って聞こえた気がしたんだけど、、、まさかね〜」
ブラスト・ソードに目を落としながら、つい思ったことを口にしてしまう。
「あんたが言ったんじゃないよね、、、、、まあここまでしたんだから最後までやっちゃうのもいいか、、、」
そして、目を閉じ、カオスワードで刀に語りかけていく。それは呪文でもなんでもなく、ただの独り言、、、、、、、、
『、、、、、、、永き眠りより、呼び覚まされし誇り高き、紫雲に輝く刃よ。その力永遠に汝がそばに横たわりしこのものと共にあらんことを、、、我らと汝
が前を立ちふさぎし全てのものを断ち切り、我らが前に新たな道を切りひらかんことを、、、、、、、、、』
そしてあたしは静かに刀に唇を落とした。
あたしの、らしくない乙女チックな願いを聞いていたのはお月様だけだった。
まぶしい朝日の中、『かれ』が目を覚ました。
あたしは、穏やかだけれども、少しの切なさを感じながら、なぜか彼にみとれてしまった。うーん、やっぱり見た目だけはいいのよね、こいつ、、、、
ガウリイは寝ぼけまなこで、ぼーっとしながら言った。
「よう、リナ、、、、おはよう」
その声を聞いたとたん、不覚にも急に胸がドキドキし始め、顔がほてってしまった。
「おはよう」
照れ隠しにわざとぶっきらぼうに言い放ちあわてて顔をそらすあたし。
そのとき
『、、、、、、、、、ワガチカラコノヒトトキナンジラトトモニアロウ、、、、、、、』
そう聞こえた気がした。
「 、、、、、、、、、、今なんか言ったか?、、、、、、、、、、、、、、」
あたしの願いを聞いてたのは、お月様だけだった、、、、、、お月様だけだったはずだ、、、お月様だけだったはずなのに、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「、、、、、、、、、、、、そらみみよ、、、、、、、、、、、、、きっと、、、、」
あたしは何とか声を振り絞って答えた。真っ赤な顔が、朝日の逆光で彼から見えないことを祈りながら、、、、、、、
おわり
コメント;恥ずかしくてかけません、、、、、
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