「よっと」 軽やかな身のこなしで、地面に降り立つ。 ふと、宿屋の方を向く。 動く気配なし。 「うん、ガウリイの奴、良く眠っているみたいね」 まぁ……わざとスリーピングをかけたんだけど。 そーでもしないと行けないもんね♪ 盗賊い・ぢ・め♪ スリーピングが効かない時もあるけど、今回はうまくいったみたいだ。 あの自称保護者、あたしの楽しみをいつもいつもいっつも! ことごとく邪魔をしてくれるんだからっ! しかも大抵がお宝さん物色している時っ! はっきりいって、あたしにとったら地獄以外の何者でもない。 「さぁってと……今日は暴れるわよぉぉ」 気合十分。 あたしは夜の街を駆け抜けた。 「ファイヤーボールっ!」 右手に生じた炎の玉を盗賊のアジト目がけて投げつける。 「ブレイクッ!」 そこでさらに爆発させる。 これでほぼ全滅である。 ふっふぅん、ちょろい。 あたしは手短な奴を捕まえて 「さぁって、ちゃっちゃとお宝のありかを教えなさい♪ でないとどうなるか……」 今度はモノヴォルトを発生させる。 盗賊その一は、あっさりとお宝のありかを白状してくれて、あたしは久しぶりの収入を得た。 やっぱし盗賊いぢめはやめられない。 翌日 「くあぁぁ〜、気持ちいい」 背伸びするあたしの後ろで、ガウリイが疑問の色を浮かべていた。 多分まだバレて無いと思うけど…… 「なぁ……リナ……昨日よりも荷物袋が大きくなってないか?」 ぎくくぅっ! ガウリイはあたしの荷物を見て言ったんだろう。 そう、昨日盗賊から強奪……もとい、回収したお宝である。 かさばらない物を選んだハズなんだけど、結構多くなっちゃったのよねぇ。 ちっ、このクラゲ、何で袋の大きさなんて覚えてるのよっ! 「やぁねぇ、いっつもこれぐらいじゃないのよ」 「そーだけっけ?」 くっそぉ〜、昨日の内に整とんしとけばよかった。 でも昨日は帰ってくるのも遅かったし眠かったし。 「それに昨日――なんかよぉぉぉく眠れた気がするし」 ぎくぎくぅっ! へっ……平常心よリナっ! 今ガウリイにバレたら今よりも輪をかけてガードが厳しくなるっ! バレ無いよーに、バレ無いよーに。 「きっとすっごく疲れてたのよ、ガウリイ」 「ああそーかっ! 疲れてたのかオレ」 しぃぃん しばしその場に沈黙が降りた。 ややあって、ガウリイはあたしの肩に手を置き 「リナ……お前……」 バレた。 ちらっ、っと後ろを見るとメッチャクチャ怒った顔のガウリイ君。 「……あーもっ!」 言い訳はこうなったら不可っ! ならば、面を向かって言い切るのみっ! くるっ、とガウリイの方を向き 「何よなんなのよっ! いっつもいっつも! あたしが何をしたって勝手でしょー がっ! そんなにあたしのやる事が気に食わないのなら……あたしについてこなければいいでしょっ!?」 言うだけ言って、あたしは後悔した。 再び沈黙が降りる。 あたしもガウリイも黙ったまま。 しばらくして、ガウリイはあたしの横を通り過ぎ 「……ほら、行くぞ」 しまった。 少し言い過ぎたかも。 絶対怒っているっ! それも今まで以上にっ! おしっ! ここは少しこの陰気くさい雰囲気をなごませないと! 「今日はいい天気だよねぇ、ガウリイ♪」 三度沈黙が降りた。 相当の重傷である。 こりゃ、しばらくほぉっておいた方がいいわね。 一日、また一日と経過した。 ケンカとも言えぬケンカから早五日。 あたしたちは全然口を聞いていない。 食事も無言の争奪戦。 はたから見れば、大分恐い光景だろう。 「だぁぁもぉっ! イライラする!」 食事を終えて各自部屋に戻った時であった。 ったく、何であたしがガウリイごときでイライラしなくちゃいけないのよ。 しかもあたしの言葉を真に受けて出て行くんじゃないかって思って、最近ずっとガウリイが寝静まる深夜まで起きていたのだ。 どうしてこんなにガウリイを引きとめようとしているんだろうね、あたし。 それにしても、寝不足。 ……ん? 隣が以上に静かなのにあたしは気がついた。 寝るにしてはまだ早い時間である。 ……! あたしはベッドから起き上がり、大急ぎで部屋を出る。 向かう先はガウリイの部屋。 まさか……本当に……出て 「ガウリイっ!」 乱暴にあたしはガウリイの部屋のドアを開ける。 鍵はかかっていなく、アッサリと開いた。 部屋はガランとしていた。 すべての音が消えたみたいに静かだった。 「……ガウ……リイ?」 本当に、本当に……もう…… ぽん。 あたしの頭に何かがあてられる。 振り返ると、?な顔をしたガウリイ。 「何やってるんだ? お前さん」 「――ガウリイ」 ばきぃっ! あたしはガウリイの顔面にストレートパンチを食らわせる。 そのまま壁に衝突する。 「なっ……」 「もう――うんざりだわ」 「えっ?」 「もううんざりだって言っているのよっ! ガウリイはずっと黙ったまんまだし、どこかに行っちゃうんじゃないかって……毎晩毎晩心配で……眠れなくって……でも、ガウリイは何考えてるか分からなかった! こんな辛い思いするのはもうたくさんよっ!」 はー、はー、はー。 荒い息をつく。 一気に言いたい事をぶちまけるって、気持ちいいものね。 一方のガウリイはキョトンとした顔だった。 うぅ〜、何か言いなさいよ! 「おい……オレは別に怒ってないし、第一怒っていたのはリナの方だろ?」 「……は?」 あまりといえばあまりの返答に、今度はあたしがキョトンとした。 いや、硬直したのかもしれない。 そんな事をおかまいなしにガウリイは話を続ける 「だってよ、オレがリナに話し掛けなかったのは、リナが怒っているように見えたからで」 ってことは、何? 「じゃあさ、ついて来なきゃいいって言ったのは?」 「へっ……お前さん、そんな事言ったっけ?」 がくぅ。 思わず脱力するあたし。 こいつが脳みそヨーグルトだったこと、忘れてた。 今の今まで悩んでいたあたしが馬鹿みたいじゃないの。 そんなあたしをガウリイはいつものように頭をなでる。 「なーんか、二人して勘違いしてたみたいだなぁ」 いつものようにノホホンという。 「ねぇガウリイ、本当に何とも思ってない?」 「えっ……ああ、気にするも何も」 「ホントのホントね?」 「本当だって」 「そう――なら良かった」 ふら 安心したのか、あたしは倒れかける。 それを慌ててガウリイが受け止める。 「リナ?」 「ごめん、ここ数日あんまし寝てなかったから……」 それだけ言ってあたしは睡魔に身をゆだねた。 よかった……ガウリイがどこにも行かなくて。 素直じゃないよな、あたしも。 そんなことを思いながら。 〜fin〜 |
♪瑠璃さまから頂きましたvv
ガウリナ小説は初めて書いたそうです!!すっごーいっっ!!
リナがやっぱり可愛すぎるですよぉ♪自分の言葉に振り回されちゃっているリナが、もう、くぅっって感じですvv何でこんなに可愛ーんだっっ!!
本当に素敵なお話をありがとうございました♪