恋する水母

〜後編〜


 

 「あぁああぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

 それから少しの間、陸クラゲのガウリィの傷を見るなどしていると、絶叫がこだました。
 あまりに悲痛な叫び声に振り向くと、アメリア&ゼルガディス。そして野次馬が何人か。

 「何よアメリア。さっきのケンカは、別に盗賊いぢめをしてたわけじゃないのよ。
  この子を守ろうとしてたの。かわいいでしょ? この子、夜店で買っ…」

 アメリアは顔面蒼白、今にも泣き出しそうな勢い。…でもケンカが原因ではなさそうである。
 そしてその目は、一点を凝視したまま動かない。火炎球の跡が残る、湧き水の涸れた辺りを…

 「ひっ、ひどい…リナさん、あんまりですぅ〜!」

 「なんでそこまで泣くのよ、アメリア?あんなのただの水溜りじゃない。探せばその辺にいくらでも…」

 アメリアはきっ、とリナを睨み据える。

 「ただの水じゃありませんっ!あ、あれが、言い伝えの"神の水"ですぅっ!!ガウリィさんならいざ知らず、リナさん忘れたんですかっ!それとも、わかってて涸らしたんですかぁあぁ!!」

 …え、それ…さっきあたしとガウリィが、飲んだ、あれが?

 「リナさんっ!どうなんですかぁあ!それともこれは嫌がらせですかぁ〜(涙)!」

 「やっ、やめろアメリア!それ以上やると、リナが死ぬ!」
 (それはないと思うが…)

 「いいえっ、絶対に許せません!皆さん(私)の、皆さん(私)の、希望の水を〜!」

 「アメリア、リナが白目むいてるぞ。その辺で勘弁してやれ…」

 「だ、だって…ゼルガディスさん〜(涙)!!」

 あれからあたし達は、泣いてるアメリアを皆で宥めすかしてどうにか連れ帰った。
 ゼルガディスは彼なりに気をつかったんだろう、アメリアを夜の散歩に誘ったらしい。
 宿を出て行くときにはまだ、アメリアはじとーっとこっちを睨んでたけど…(汗)。

 あたしは、クラゲのガウリィと一緒にお風呂に入った。
 陸クラゲは少し魔力もあるし芸の覚えもいいっていうから、これからあたしと旅するならいろいろ教えてあげないとね…なんて言いながら、パジャマに着替える。…と、

 コンコンっ。

 あたしの部屋の扉を、ノックする音。
 扉を開けると、ガウリィが立っていた。

 「なんだ、ガウリィ。どしたの?」

 「ああ、ちょっとな。入ってもいいか?」

 「別にいいけど…あんたがこんな時間に起きてるなんて、珍しいわね」

 なんとなく落ち着かない。
 ガウリィが、部屋に入ったとたん、黙っちゃったってのもあるんだけど。
 しばらくお互い何も言わずにクラゲガウリィとぷにょぷにょ遊んでて…

 沈黙を破ったのはガウリィの方。

 「なあ、リナ…俺、聞きたかった事があるんだ…」

 どっきん。

 「改まってなによ?さっきみんなで帰ってくる時にでも聞けばよかったのに」

 「いや、あの時はアメリア達がいたからなぁ。えーと…さっき、さ。お前さん、そいつのこと…」

 どきどきどき…って、ん?
 そいつ…って、クラゲのガウリィ?

 「そいつのこと、「ガウリィ」…って、呼んでなかったか?」

 ぎくぅっ!あたし、喋ったっけ…!?

 (さっきの場面を巻き戻し→再生中)

 うっ………。
 思いっきり「ガウリィ、死んじゃだめっ!」とかなんとか言っちゃったかも…(汗)。

 「もしかして、それで怒ってる…?たしかにあんたはくらげだけど、本物のくらげに同じ名前つけられたらそりゃあんたも怒るわよね…ご、ご、ごめんっっ!!」

 「いや、そーじゃなくて」

 …は?
 しかもなぜ赤くなってるのだ、ガウリィ(本物)。
 クラゲガウリィも不思議そうにぷにょぷにょ、本物ガウリィを見つめてる。

 「で、俺と同じ名前のそいつに…ほお擦りしたり、キスしてたり、してた…訳だよな?」

 うぅうっ!痛い!これは痛いぞあたし!
 あぁ…スコップがあったらいますぐ穴掘って埋まってしまいたい…。

 「それって、俺…保護者とかじゃなく、自惚れてもいいって…事だよな?」
 「え…」

 だって、だって…それって。

 「実はさっきの湧き水な、これがもし例の"神の水"だったらいいなって…思ってさ。
  ずっと一緒にいたい…お前さんが好きだから、俺はわざと同時に飲んでみたんだよ」

 「たまには物覚えいいだろ」って、いたずらなウィンク。
 この、くらげっ。嬉しくって…顔が火照ってきちゃったじゃない。

 「バカね…あたしが他の男を好きなんだったら、どうしてたの?」

 「あの陸クラゲへの態度みてりゃ、好きなのは俺だってイヤでもわかるだろ」

 「げっ!自惚れてんじゃないわよっ!あれはあんまりかわいくて…」

 「でも実際…そうだろ? それに、もし他の誰かを好きだったとしても…いつかは俺に振り向かせるつもりだったからな」

 「ふんっ、だ…えらい自信…んっ…」

 ガウリィのキス。
 優しくって、甘くって、熱い…
 あたしがずっと、求めてやまなかったキスの嵐。

 「俺、ガマンしてたんだぜ?「保護者」だった俺に、突然告白されたらお前が
困るだろうって、ずっと思ってたから…だから、今日は…嬉しかった」

 「あたしも…」

 あたしも…嬉しい。
 あたしの気持ちをわかって…そして、受けとめてくれて、ありがと。

 『出会えてよかった、あなたと』

 もう、言葉にならなくて…
 あたしは何も言わずに、ガウリィの身体を思いっきり抱き締めた。

 そして膝の上には、ぷにょぷにょしながらあたし達を見てる、クラゲガウリィ。
 "神の水"…ホントにご利益、あったのかも…ね。

 

 

 

 


 

♪真秀さんから頂いたのですvv

陸クラゲ〜〜〜ほーしーいーっっvvこんなのいたら大枚つぎ込んででも買うよ、あたしわっっ!!

ガウリイさん、さぞかしクラゲがうちゃんに嫉妬してたでしょーね。あんなに無邪気にリナからキスされたり頬擦りされてるの見たら(笑)同じ名前だったから生き長らえたのかもしれないと、ちょっぴし思ったのでした(笑)

でも、この後。クラゲとくらげのリナ争奪戦が始りそうですね(^^;)

・・・・・アメリア・・・君のとーとい犠牲は無駄にならなかったよ。ゼル、後のフォローよろしくね♪

とっても可愛いお話を、ありがとうございました♪